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ネガティブな感情は健康に悪影響? ネガティブな感情をコントロールする方法

山積みの仕事を前に疲れと不安を覚えるサラリーマン

「怒り」「悲しみ」「憎しみ」「不安」「焦り」「諦め」「恐れ」「妬み」のようなネガティブな感情は、誰にとっても身近なものでしょう。

しかし、ネガティブな感情にずっと囚われてしまうと、健康にも影響が生まれます。

ネガティブな感情が健康にもたらす影響

「怒り」や「悲しみ」、「憎しみ」などのネガティブ感情は、心拍数を増加させたり、血圧を高めたりすることがあります。ネガティブな感情によりストレス状態が続くと身体に悪い影響をもたらし、心身症などに至ること可能性があることが知られています。

ネガティブな感情の否定は逆効果

「怒り」や「憎しみ」、「焦り」などのネガティブな感情を覚えたとき、その感情が悪いものだと自分自身で否定していませんか?
ネガティブ感情とポジティブ感情の比率は約7:3とネガティブ感情のほうが多いとされています。
自分にとって良くない情報を知ったとき、「不安」や「嫉妬」といったネガティブな感情が生じるのは当たり前です。人間は感情的な生き物であり、感情は危険から身を守るための大事なセンサーです。

紙で手を切ったら、当然痛いです。痛みがあるからこそ、怪我をしたと身体は認識し、手当もできます。
同じように、ネガティブな感情は、“ショックを受けた” “困っている”というような自分自身の状況を伝えてくれているのです。

「ネガティブ思考」を悪いものだと否定してしまうと、「自分は駄目だ」という感覚を強める結果になります。多くの人が、周りから「お前はダメだ」というメッセージを受け取る中で、ネガティブ思考を育ててきています。ですから、ネガティブな感情、ネガティブな思考は“当たり前で仕方がないもの”とまずは認めることが大切です。

【対策①】寝る前は楽しいことを

仕事や学校で嫌なことがあってイライラしたり、モヤモヤしていたとき、嫌なことは寝て忘れようとしたことはなでしょうか。
ネガティブな感情のまま寝るのは、実はよくありません。睡眠によって、記憶が定着してしまうからです。

中国・北京師範大学の柳昀哲博士らのチームが行った研究をご紹介します。

柳博士らは、学生73人に対し、動物の死体や暴行シーンなどの嫌悪感を催す映像を多く見続け、睡眠が記憶に与える影響を調べました。これらの映像を2日間に渡って十分に鑑賞し、学生たちに記憶させた後に、次の実験を行なったのです。

(1)再び嫌な映像の鑑賞を行い、30分後にどれだけ覚えているかテストしたグループ
(2)同じく嫌な映像の鑑賞を行い、そのまま睡眠をとって、24時間後にどれだけ覚えているかテストしたグループ
(3)美しい女性の写真を見るなど、嫌な映像を忘れて気分転換を行って、30分後に嫌な映像をどれだけ覚えているかテストしたグループ
(4)嫌な映像を忘れるように気分転換を同じように行って、そのまま睡眠をとり、24時間後に嫌な映像をどれだけ覚えているかテストしたグループ

その結果、上記の(1)と(2)の間に違いはほとんどありませんでした。嫌なことがあった直後にそれを忘れるような行動をとらないと、ひと晩寝た後でも30分後と同様に、しっかり記憶が刻み込まるのです。(3)と(4)のテストでは、30分後に比べ、ひと晩寝た後は「悪い記憶」が約3分の1に減っていたという、大変興味深い結果になったのです。

つまり、ネガティブな感情を抱えたまま寝ても、嫌なことを忘れるどころか記憶として強く残ってしまう可能性が高いのです。
職場で上司から叱責を受けて落ち込んだり、学校で友人と喧嘩をして怒りが収まらないなど、ネガティブな気持ちのまま眠りにつかず、楽しいこと嬉しいことを感じリフレッシュしてから眠ることが大事です。

頭空っぽにして笑えるバラエティを見たり、お気に入りの音楽を聴いたりして、ネガティブな感情とその原因の出来事を忘れるように努め、楽しい気持ちになって眠ってください。

【対策②】ネガティブな感情は紙に書く

ノートに文字を書く男

ネガティブな感情の感じることは普通に起こりうることですが、感情を見て見ぬふりをして感じないように蓋をしたり、抱え込んだりすると非常に厄介です。
感情が解放されずに、イライラ、モヤモヤした恨みや嫉妬、怒り、焦り、自己嫌悪など、様々なネガティブな感情が蓄積されていきます。怒りや不安が膨らむと、ストレスとなって血圧をあげるけん引になったりと健康に支障が現れることも。

煮詰まったネガティブな感情を解放するのに、最適な方法は「書くこと」です。

テキサス州にある南メソジスト大学のペネベーカーらの実験によると、「1日15分、ネガティブな感情について筆記すること」を4日間続けると、(筆記直後には一時的にネガティブな感情が強まるものの、)長期的にはポジティブになることが示されています。

 実験から4か月が経過した後、「感情について書いた被験者」と「部屋の様子など、表面的な事柄だけを書いた被験者」を比べると、前者は気分・感情の改善が認められ、さらに体調不良の日数や健康センターへの訪問回数が明確に少なくなっていたのです。身体にまでよい影響があることがわかります。

では、効果的な「ネガティブな感情を解放する書き方」をご紹介します。

・書くときはプライベートが守られた環境で
・誤字脱字、文法などは気にしないで自由に書きましょう
・週に1~3日、1日15~20分程度を目安に、できるだけ長く続けましょう
・悲しかった出来事などネガティブなテーマを選び、できるだけ具体的に書きましょう
・出来事を書くとき、その時感じたネガティブな感情と、なぜそう感じたかを考えて書きましょう
・感情が高ぶっても大丈夫です。深い感情に触れているサインと受け止めましょう

長期的に行うと、より効果的です。無理のない範囲で、是非試してみてください。

ネガティブな感情とうまく付き合う

ネガティブな感情への対策方法を紹介しましたが、いかがでしょうか。

ネガティブな感情に囚われてお悩みでしたら、感情を文字にして書き出すことを習慣にしてみるのがお勧めです。ひとつ注意しなければならないのは、寝る前に行う場合は気分転換をして楽しい気持ちで眠るようにしてくださいね。

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