昔話に出てくるお金持ちは丸々と太っていて、貧乏な人はガリガリ痩せているイメージがあるかもしれません。
しかし、現代においてはまったく逆の現象がおきています。
裕福な人ほどスリムで貧乏な人ほど太っているのです。
なぜ、そうなっているのか?収入と食生活の関係をみてみましょう。
低所得者ほど「炭水化物」を食べる
厚生労働省が発表した「国民健康・栄養調査」の、所得と食生活に関する調査結果を見てみましょう。
グラフから以下のことが読み取れます。
・低所得層は炭水化物の摂取している比率が高い
・野菜の摂取量は所得によって大きく差がある
・(野菜程ではないが)肉の摂取量は所得によって差がある
肉や野菜に比べて、炭水化物は比較的安価に空腹を満たすことができます。
食費に困っている人ほど、「腹を満たす」食事をする傾向が高いとも読み取れます。では、具体的にはどのような食事が該当するのでしょうか。確認してみましょう。
あなたは以下の食品をとることは多いですか?YES、NOで答えてみてください。
【あなたは大丈夫?貧乏人が好む食事チェック】
- インスタント麺や蕎麦をよく食べる
- 豚肉と鶏肉どちらをよく食べるといえば、豚肉
- 魚を食べると言ったら、あじやイワシ、サケやマス
- お菓子は和菓子よりも洋菓子
- ワインやウイスキーではなくビールや日本酒
- 味噌やマヨネーズの調味料をよく使う
YESが多いほど、貧乏な人が好む食事の傾向にあります。上記は低所得者が好む食材・食品たちなのです。肉は豚肉より鶏肉の方が価格が安いですが、調理が簡単で脂が多く腹を満たす豚肉を選ぶ低所得者が多いという調査結果でした。
また、低所得者だからと言って、菓子やアルコールの摂取は少ないかというとそうでもありません。特にスナック菓子などの安価な加工食品はどこでも売られており、手に取りやすいです。
安価な「超加工食品」の誘惑、広がる所得と健康の格差
インスタント麺、菓子パン、レトルトや冷凍食品などの、香料や着色料、乳化剤などを含む加工食品物質(油、脂肪、糖、デンプン、タンパク質分離物など)を用いて工業的に作られた食品を「超加工食品」といいます。
コロナ禍による経済格差によって、低所得者層は不健康だとわかっていても、安価な加工食品を摂取する機会が増えている傾向にあります。
野菜や果物といった栄養価の高い健康に良い食事は価格も高く、貧困層はてを出しにくく、手軽に手に入る「超加工食品」を口にしているというわけです。
調理済みの「超加工食品」の多くは栄養価のバランスに偏りがあります。高カロリー、高脂肪、高塩分ですが、他の必要な栄養素であるビタミンやミネラル、食物繊維などはあまり含まれていないのです。
低所得者ほど、健康にも格差が広がり、肥満の割合が高くなります。コロナウィルスと一緒に肥満が世界中で流行しているというわけです。
貧乏人は面倒臭がり
先進国のホワイトカラー層では肥満は「自己管理できない」ことを表す指標とされています。
コンビニ弁当でぶくぶく太ってしまう人は、摂取カロリーの計算もできないので人の管理もできないとみなされてしまいます。安くて美味しく感じる食べ物の多くは炭水化物でできているため、手早く簡単に食べたいという誘惑に負けることから、脂肪という不要な負債を抱えることになるのです。
肥満傾向にある方ほどご飯やパンといった炭水化物中心の食事に偏りやすく、とりすぎは生活習慣病を招きやすい。控えようとしても自制心が働かず、つい手が出てしまいます。またストレスを発散するために食に走る人も少なくはなく、健康維持のための計画実行性に欠けることは、人の管理もできないと見なされるのです。
健康維持のために自制できる人が成功する
健康維持のための自制ができない人ほど、将来の計画も立てられません。60代になって貯蓄もなく年金も少ないから長く働けば大丈夫と高を括っていたら、突然病気になってしまって働けなくなったという事態は少なからずあります。
人生を健康で豊かに過ごすためにも、自分を律してバランスの良い栄養価のある食生活を心がけましょう。