医療や科学技術の発展、衛生面などの環境の改善、福祉制度の充実などにより、先進国と中心に年々寿命が伸びています。100歳まで生きる可能性が圧倒的に高くなってきました。
人々の健康への意識も高まっており、スポーツジムでのトレーニングや、ヨガ、健康食品やサプリなどの健康管理が注目されています。このような病気の予防が目的の様々な方法は「健康投資」といいます。
近い未来に到来する人生100年時代にこそ、コストパフォーマンスがきわめて高い投資である「健康投資」に注目がしてみましょう。
健康寿命とは? 日本人の平均寿命と健康寿命
厚生労働省が公表している令和2年簡易生命表によると、男の平均寿命は 81.64 年、女の平均寿命は 87.74 年となり前年と比較すると共に上回っています。
しかし、平均寿命が延びたとしても、介護が必要な状態、寝たきりの状態が長いと老後の生活を充実したものにするのは難しいです。
介護などの人の助けを借りなくても、自力で日常生活を送れる期間を「健康寿命」といいます。
厚生労働省の調査(2016年度)によると、男の健康寿命は74.14年、女の健康寿命は74.79年となっています。平均寿命と共に、健康寿命も年々上昇傾向にあります。
資料:平均寿命については、2010年につき厚生労働省政策統括官付参事官付人口動態・保険社会統計室「完全生命表」、他の年につき「簡易生命表」、健康寿命については厚生労働省政策統括官付参事官付人口動態・保険社会統括室「簡易生命表」、「人口動態統計」、厚生労働省政策統括官付参事官付世帯統計室「国民生活基礎調査」、総務省統計局「人口推計」より算出。
「平均寿命」から「健康寿命」を引くと「延命期間」が算出されます。「延命期間」とは、に事情生活に何かしらの制限がある生活を送る期間のことです。つまり、「延命期間」が長ければ長いほど、活動が制限される生活が長くなり、医療費や介護費用が必要になってくるというわけです。
超高齢社会である日本にとっては、医療費や社会保障費、介護給付金などの増大によって国の財政圧迫も問題もあり、「健康寿命」を延ばすことが最重要課題となっています。
生涯医療費とは?一生のうち医療費はいくらかかる?
「生涯医療費」という言葉をご存じでしょうか。人が生まれてから亡くなるまでの一生のうち、必要とされる医療費の概算のことを「生涯医療費」といいいます。
平成30年度の厚生労働省の推計によると、日本人の生涯医療費の平均は2,700万円(男性2,600万円、女性2,800万円)となっています。特に70歳以上の年代が占める割合がかなり大きく、生涯医療費のおよそ半分となっています。
老後のための資金として貯金していてたとしても、その多くを医療費に費やされてしまうのは避けたいものです。長生きできたとしても、介護が必要で制限がある生活で医療費・介護費用に貯金を使い、生活費を切り詰める……なんてことも起こりうるケースです。
セカンドライフを楽しむために、何より必要なことは「健康寿命」を延ばすことです。
いかに健康であることが大切かを認識し、病気を予防して健康である期間を長く過ごすため、健康投資を始めてみましょう。
健康寿命はどうすれば延ばすことができるか?
健康寿命を延ばすために、何をすればよいか? まずは、病気を予防することです。
健康を維持するためには、バランスの良い食生活、適度な運動、規則正しい生活を送ることが基本です。毎日の食事、良質な睡眠、定期的な運動など、明日からでも取り組めることばかりですし、既に行っている方も多いかもしれません。
健康への意識を持ち、健康維持、健康促進して行きましょう。
手軽に始められるウォーキングで健康寿命を延ばそう
健康維持に適度な運動は欠かせません。しかし、いきなりスポーツジムを契約して筋トレに励むのはハードルが高いかもしれません。
そこで、おすすめなのはウォーキングです。特別な施設や道具などの準備が必要無く、身体に負担がかかりにくい簡単な運動のため、どんな年齢層でも取り組みやすいです。
正しい方法で取り組めば、以下の効果が期待できます。
- ダイエット効果(脂肪を燃焼)
- コレステロール・血圧・血糖値の改善
- 生活習慣病などの予防・改善
- 骨粗しょう症の予防
- ストレス発散
WHO(世界保健機関)では、一般的な成人に対して1週間で150分~300分の中強度(「ややきつい」と感じる程度)の運動行うことを薦めています。
一般的な速度のウォーキングは中強度の運動に該当します。
1日約20分ほどのウォーキングだと、1週間行えば約150分になります。一駅分の距離を歩くなど、日常に取り入れて習慣化することから始めてみるのはいかがでしょうか。
健康投資という資産形成で人生を豊かに
資産を増やすために投資や資産運用が注目されがちですが、未来の出費を抑えることで余裕が出た資金を貯金や投資に回すことができることも、資産形成の方法の一つです。
溌剌と自由に生活できる「健康寿命」を延ばし、医療費や介護費用などによる出費を抑えることは守りの「資産形成」といえるでしょう。
健康寿命を延ばすために、日々の生活を見直し、健康に意識を向けて「健康投資」を行っていきましょう。健康寿命を延ばすことは、人生を豊かにすることにつながります。リスクは少なく、実はコストパフォーマンスが非常に高い「投資」といえます。
日々の生活の改善も健康のためと言われると気が進まない人もいるかもしれません。しかし、「資産形成」の為の投資という意識で取り組んでみるとモチベーションも維持しやすいのではないでしょうか。