新型コロナウイルス感染症の影響で多くの企業が打撃を受けています。しかし、未曽有の事態の中でも、日本の富裕層は増え続けています。コロナ禍でも増え続ける富裕層は、健康に対し、どのような意識を持っているのでしょうか。
増える日本の裕福層
株式会社野村総合研究所は、預貯金、株式、債券、投資信託、一時払い生命保険や年金保険など、世帯として保有する金融資産の合計額から負債を差し引いた「純金融資産保有額」を基に、総世帯を5つの階層に分類し、各々の世帯数と資産保有額を推計しました。
引用:野村総合研究所「野村総合研究所、日本の富裕層は133万世帯、純金融資産総額は333兆円と推計」
2019年時点での裕福層と超裕福層を合わせた世帯数は132.7万世帯です。富裕層・超富裕層の世帯数はいずれも、安倍政権の経済政策(「アベノミクス」)が始まった2013年以降増加し続けています。ただ、新型コロナウイルスの流行が始まった2019年12月頃から1年以上が経ち、裕福層と超裕福層の世帯数は減少するだろうと推測されていました。
しかし実際には裕福層と超裕福層の世帯数は増え続けています。多くの企業が新型コロナウイルス感染症の影響で少なからず打撃を受けている中、なぜ裕福層と超裕福層は資産を守ることができているのでしょうか。
1位 65%「健康や体力増進に関する意識が強まった」と回答
引用:野村総合研究所「野村総合研究所、日本の富裕層は133万世帯、純金融資産総額は333兆円と推計」
コロナ禍により、富裕層・超富裕層である企業のオーナー経営者の消費や生活も大きく変わっています。約3分の2に相当する65%が「健康や体力増進に関する意識が強まった」と回答しました。
新型コロナウイルスの流行により、健康資本への意識がより高まったと考えられます。 コロナ禍に伴い外出を控えることが推奨され、室内で過ごすことで体力の低下が懸念があります 。体力が低下によって労働の量や質が下がり、収益低下につながる恐れもあります。健康や体力増進に関する意識が高まったのは、資産を守るための危機管理の能力が優れているためでしょう。
ただ、富裕層・超富裕層である企業のオーナー経営者の資産管理・運用の考え方や消費・生活の変化は、コロナ禍で急激に変化したものではありません。変化の芽は以前からあったと考えられます。 裕福層の健康への意識は高いと、様々なデータが証明しています。コロナ禍によって健康への意識が一層高まっていますが、健康資産の価値を認識がベースとして持っていたからこその数値だといえるのかもしれません。健康や体力増進への高い意識は、一過性のものではなく今後も続いていくものでしょう。
健康への意識は不可欠
アンケート調査の結果から、健康や体力増進の意識が強くなった超富裕層・富裕層が多いことが分かりました。富裕層を目指すには、時流を読み、ビジネスを展開して資産を増やすために行動していくことが必要です。しかし、どれだけ才覚溢れる素晴らしい経営者でも、健康状態に問題があれば思うように経営はできなくなります。 健康も大切な資産なのです。
過酷な激務によって疲労、ストレスが蓄積されたとします。 疲労により、休日は体を休めるために家で1日中過ごすことが習慣化すると、運動不足になります。運動不足から体が鈍り、体力が落ち、仕事での疲労の回復が遅くなる……、こういった悪循環に陥る可能性があります。 ストレスの発散方法が運動や旅行などのリフレッシュ方法なら良いですが、暴飲暴食に走ってしまうこともあるでしょう。 運動不足や暴飲暴食は、糖尿病や高血圧、脂質異常症など生活習慣病のリスクが高まります。さらに強いストレスは感染症やがんに罹患するリスクも高めるため、資産を失うことにもつながりかねません。
睡眠や食事、運動などの生活習慣をより良いものにするために行動することは、健康という資産への「投資活動」といえるでしょう。 投資を行うことで、生活習慣病のリスクを下げ、健康的で活動的な体を維持することができます。 富裕層を目指すために、自身の健康に対する「投資」は不可欠と言えるのではないでしょうか。